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マレーシア、タイから発信するアジアお気楽情報サイト

Tag: ビジネス

仏作って魂入れず

ブランディングって莫大な金や労力かけて作り上げていくって書いたけど、それこそ社名やロゴの使い方だけで分厚い本1冊くらいになるのは当たり前。ウチもクリエイティブの制作やウェブサイトの開発などをするときは事前にクライアントの本社から 「ロゴ使用ガイドライン」 なる資料が送られてきて、クリエイターは細心の注意を払ってミクロン単位の仕事をする。 だけど、それがブランディングだと勘違いしている企業マーケッターはとても多い。 ある日系クライアントの本社のウェブサイト開発をしていた時の話だけど、サイトのデザインに関してはフォントや色味、ポジションなどそれこそ0.1ミリ単位の修正指示が来るんだけれど、こちらから 「お客様が迷った時にすぐにお問い合わせができるよう【お問い合わせ】ボタンを目立つところに配置しましょう」 と提案すると 「目立ってすぐにお問い合わせが来るようになると面倒で困る」 と却下されたことがある。 日本企業のブランディングなんていまだにこの程度のレベルなのだ。 やはり企業も形ばかりじゃなく、魂を入れないとダメだよね。

小学生が切り盛りする店

スクムビット23にあるIWANEカフェは日本人にも人気のカフェテラスだが、週末カミさんと昼飯を食いに出かけてみるとスペースをシェアする形で丼もののお店がオープンしていた。 家系ラーメン店主のように腕組みをした子供がシェフだと謳っている。入店すると小学校5年生くらいの子がすぐにメニューの説明をしてくれた。注文を終えると彼はカウンターに座ってノートPCを開き、自分のお店のウェブやSNS、そのアクセス状況などを解析ツール使ってチェックしていた。 デジタルの世界ではタイが日本を追い抜いてもうどんどん差が開いていくな、これは(笑)。 そして今日は結婚記念日なのでバラのブーケを贈った。 雪の降る神田カトリック教会での式から、37年も経ちました。

森のオフィス

日本のパートナー会社がオフィスを改装した。有楽町駅からすぐ、という一等地のワンフロアで150人くらいが働いていたが、リモートワークでほとんどの社員が出社不要となり、オフィスの意義やあり方が問われた。 「森のオフィス」をコンセプトにワーキングスペースというよりはコミュニケーションスペースという趣でデザインされている。すでに社員全員が出社して同時に働けるデスクもPCもない。仕事は「好きな場所」でやる時代になったのだ。 大きなフロアスペースにデスクを集めた細長い島がずらっと並んでいる、といったオフィスはどんどん古臭い過去の遺物になりつつある。

サイバー攻撃

トヨタの主要取引先がサイバー攻撃を受け、トヨタ本体の生産が止まっていることを受けて、各社ともサイバーセキュリティの点検が呼びかけられている。 と言ってもセキュリティは「鍵をかけ直したか?」で強化できることではなく、お金がかかることだから中小企業は大変だと思う。 オイラの会社も何年か前にトヨタの取引先と同じようなサイバー攻撃を受けた。この攻撃は絨毯爆撃的に仕掛けられるので、会社の規模には関係ないのだ。 「お前の会社のサーバーの中にある共有ファイルに全て鍵を掛けてアクセスできなくした。解除して欲しければUS$3,000払え。」 とメールが入った。 幸い会社の共有サーバーには重要なファイルが入ってなかったし、バックアップも取ってあったため被害はなかったので、そのまま脅迫状は無視してサーバーエンジニアチームがセキュリティの強化を実施した。 しばらくすると 「返事がないけど、ほんとにファイルを消しちゃうぞ。いいのか? いや、心配するな、今回だけ特別にUS$2,500にまけてやろう」 と値下げのメールが来たからね。 車メーカーの取引先なんて今頃ようやく「EV化で俺たちヤバくね?」って言い始めてるって先週報道番組で見たくらいだから、サイバーセキュリティなんてわからないだろうからな。 トヨタの生産を止めるって大問題だものね。

仮想出社

昨日はマネージャーのTeeがセッティングしたメタバースオフィスに出社してみた。 なんか真ん中にいるハゲがめちゃオイラじゃん(笑)。一人だけこっち向いてるナイが怖い。 現在はPCやスマホからアクセスしているけれど、VRだと実際にその空間にいる臨場感が得られるようだ。いろいろなプラットフォームを体験中。

よくわからない黎明期

マレーシアに着任して間もない1993〜1994年頃に「インターネット」というのが世界を大きく変えるらしいという話が出始めた。その時いろいろなメディアや専門家による「インターネット」は 「世界中の人々が繋がって、何か知りたいことがあるとリアルタイムで誰かが答えてくれる」「ホームページなるものがあって本のページのように情報が閲覧できる」「パソコン上に書いた手紙が電子で相手に届く」 といった説明がされていて、実際のところまるでよくわからなかったし、きちんとユースケースを説明できる人もいなかった。 きっと、その当時世界で最もインターネットの知識を持った人ですら、のちにマークザッカーバーグのような人が現れてFacebookといったプラットフォームを作って世界中の人が自分たちのコミュニティを形成するなんて想像できなかっただろう。 メタバースやNFTが今そんな感じ。 可能性がデカすぎて誰も全体像を結べない、そんな黎明期だ。 インターネット黎明期に「早く何か始めた人」の多くがネット億万長者になった早い者勝ちを体験してきているので、今回も多くの企業やベンチャーが動いている。 NFT(所有や売買の履歴を証明できる技術)を取得して、あるチームが制作したクリプトパンクスと名付けられた1万個の「顔」。 この顔アイコンはデジタルであるにも関わらず、ゴッホの絵のように本物だけの証明書が付けられるようになったことで「所有」することができるようになった。それがマーケットで価値を認められ、「デジタルの所有」という話題性もあって最も高額な「顔」は8,000万円で落札された。そして、下の青白い顔の2つの顔は、8億6700万円で売買される。 いや、もう何が何だか、世界では何が起こっているのかついてこれないでしょ(笑)? でもね、ついてこないとダメなのよ。デジタル技術による情報格差が貧富の格差に繋がっていく時代、厳しいね。

限界がなくなった

この2年の間に自室やたまにコンドのプールサイドで仕事をしてきたことを振り返ると、ネットさえ繋がれば完全に会社が回ることが実証された。そうすると、自宅に敢えて擬似オフィス空間を作り出す意味は 「追加の費用がかからないし、気を使わない環境が落ち着くから」 以外にない。 逆に言えば 「少し費用がかかってもいいので気分を変えたい」 のであればワーケーションしてしまえばいい。 今までソンクラン休暇や年末年始休暇を使って2週間くらいの旅行をしていたが、この「2週間」というのが社会人になってからの限界だった。なんの限界かというと 「会社や同僚に迷惑がかかる」「社外のクライアントや取引先に見栄えが悪くなる」 限界だったのだ。 しかし、旅先であろうと自宅であろうとネットさえ繋がるのであれば、どちらの限界も消滅する。 ビーチリゾートの砂浜で、ヨーロッパの街並みを歩きながら 「あ〜、欧米人みたいに1〜2ヶ月くらい長期休暇が取れたらもっとここでのんびりできるのになぁ」 と感じたことは日本人なら誰でもあるだろう。 休暇がそんなに長く取得できないのならば、休暇とワーケーションを組み合わせてしまえばいいのだ。 とりあえずオミクロンが明けたら、大好きなウブド辺りから始めたい。 クライアントへの資料を作り終えるたびに一杯なんてどうよ。

岐路に立つ62歳

今年の7月で63歳になる。 還暦を迎えたところで完全に引退し、毎日のんびり暮らしている同期もいる。先週、心不全で急逝した同期もいる。そんな歳である。 そんなオイラに年明け早々、日本のある大手企業から声がかかった。DXが拡がるこの時代、新たに海外でデジタル事業を立ち上げたい、パートナーとして協力してもらえないかと。 自分の会社を切り盛りしながら、新規事業や会社の立ち上げというどえらい力仕事をやることに逡巡がある。心身ともにしんどい日々になるのがわかっている。 でもやってみたい。まだまだ新しい世界や風景を見てみたい。

藁かい!

今日、ある制作業務の外注をオイラの会社にお願いしたいということで日本にある会社とオンラインミーティングをした。初めての取引だし、初めての業務なので、どのような仕事内容なのかを先方からブリーフィングしてもらうためだ。 先方の責任担当者が、 「今までの外注先がミスが多くて、我々も信用を失いかけているのでもう藁をも掴む思いで御社にお願いしたいとおもいまして」 と言った。 【藁をも掴む/藁にもすがる】 溺れたときに藁にすがっても助かるはずなどないが、非常に困窮したときには役に立たないものにまですがろうとするということ。 「ミスが多くて信用を失いかけている」 というのが何となくわかった気がした。

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