老舗の実力

ダイエット中ではあるけれど、週末のランチにカミさんがとんかつが食べたいと言うので 「とん清」 に行った。タイでのとんかつはソイ11にある「勝一」しか勝たんのだが、この店は夜しかやってないので昼飯のとんかつを探したところ、この「とん清」が容疑者リストに浮上した。この店はオイラが初めてタイにやってきた、今から20年以上前から日本人駐在員の和食願望を満たしてきた老舗だ。 いかにも長く地域に根ざしていますという風情の店構え。 店内もまだ日本人が少なかった昔のまま。店主の趣味をそのまま壁に貼り付けて、それが色褪せてしまったようなお洒落さの微塵もない趣き。 そういう店のシンボルはこの玄関脇のコミック棚。日本の有名店の海外支店には絶対ない、客と店主との濃い関係を物語る。 分厚くて柔らかくジューシーなとんかつ。このとんかつ定食が消費税込み600円程度。 2年に及ぶコロナ禍で打撃を受けた飲食店はどんどん閉業していく。中でも多いのは日本から進出してきた飲食店だ。採算が取れなくなると本社がすぐに「撤退」「閉業」を決断するからだ。 その点、こうした脱サラで始めたような老舗日本食屋はなかなかしぶとい。「価格がリーズナブルでボリュームがあって美味しい」を堅守していれば結局固定客は離れず、デリバリーも途切れず生き残っていけるのだ。 オイラのいるIT業界も同じ。弱いのは日本から進出してきた現地法人。すぐに撤退する。 ここに根ざして、ここで生きていくと決めた会社とは肚の座り方が違うんじゃい。