金曜日の夜ということもあり、だいぶ余裕を持って早めに自宅を出てスワンナプーム空港に向かった。その車中で、シチリア合流する予定の栗田家から 「5時間のディレイは翌日の予定への影響も大きくて大変ですね」 と連絡が入り、カミさんと2人で「え?」と驚いた。エミレーツからは何の連絡も来てないし、5時間という恐ろしい数字を見てタクシーの後部座席が少し下がったような気がした。 「とにかくカウンターでできるだけ早い乗り継ぎ便を交渉するしかない」 ということだが、こういうトラブルは旅につきものだし、カミさんなんか 「何だかワクワクしてきた」 と前向きだった。 空港でエミレーツのカウンターに行き、グランドスタッフに搭乗券とパスポートを見せると、しばらくして 「このフライトは5時間のディレイで、出発が朝6時過ぎになりました」 と伝えてきた。やっぱりかー。 とガッカリしたが、スタッフがすぐに 「ですので、それより早い便に振り替えますね」 「え? 早い便があるの?」 「はい、22時15分発の便がありまして、今の時間でしたら振り替えができます。ドバイでは逆に少し時間が空きますが、予定の便に乗り継ぐことが可能です」 「おおおおおお!」 視界が一気に広がって、このスタッフの女性にグータッチしようとしたがすでに下を向いてキーボードを叩き始めていたので危うくおでこを殴るところだった。 もともと20時発予定のこの振り替え便自体が大きくディレイしたことと、我々が5時間近く早く空港に来たことでギリギリ乗ることができたという意味では、 「出鼻いいですね」 と栗田家も喜んでくれた。 そして現在ドバイのラウンジ。時刻は深夜2時半。ドバイからナポリに向かう乗り継ぎ便も30分ほどディレイしているので、ここに5時間ほどの滞在だ。機内ではあまり眠れなかったし、ここで徹夜というのは体力的に厳しいけれど、初日の予定を崩さずにスタートできたことを前向きに捉えようと思う。
