バリ行きのライオンエアはガラガラだったが、オイラの列は何故か中国人のレズビアン2人と1列に3人詰められて閉口した。
予定通り到着すると受託荷物もないのでスルスルっと外に出ることができた。
いつもならワクワクしながら通るアーケードがちっとも楽しくない。
送られてきた情報をもとに空港保安局のビルをGoogleマップに入れると炎天下の車道をひたすら歩かされる。
そしてようやく辿り着いたビルは廃墟になっていた。
「Airport Security Department」の看板が虚しい。
「どうすりゃいいんだ・・・」
と辺りを見回しても誰もいない。
しばらく歩き回ると警備員らしき2人に出会したので、空港保安局へ行きたいと告げると
「知らねぇ。お前知ってるか?」「オラも知らね。空港のインフォメーション行ってみ」
と言われ、再び空港方面に戻る途中、別のセキュリティ係がいたので同様に尋ねてみると
「こりゃ、ここから相当離れてっぞ。車で何時間か」
と言われ、膝をつきそうになる。
でもそんなはずはないと思い直し、辺りを彷徨いて尋ねられそうな人を探していると、明らかに風体の悪そうな2人組が近づいてきてオイラをジロジロと見ている。
歩くと、その2人もあとをついてくる。
なんだか気味が悪くなってとにかく人のいそうなビルのエレベーターに乗り込むと、その2人も乗ってくる。
上りの途中で瞬時にボタンを変えて最寄りの階で飛び降りると、そいつらも降りる。
こっわ!と思って2人を見ても2人ともこちらに目を合わさず、貼り紙かなんかを読んでいるふりをしている。
すぐにまたエレベーターに乗って地上階に降り、清掃員の溜まり場に紛れ込んだ。
試しにそこにいた女性に「空港保安局」を訪ねると
「あっちだよ」
と指差す。
「あっち?」
と困惑顔をしていると
「連れてってやるよ」
と歩き出した。おお!ありがたい!
さっきの人相の悪い二人組はどこかに消えていた。
ありがたい「Facility Care」の女性についていくと、ほんとにこれなの?という看板も何もない物置のような建物があった。
女性にお礼を言ってから建物の中に入ってみるとテーブルがひとつあって、お兄さんが1人座っていた。
周りには夥しい数の遺失物と思われるものが入ったビニール袋が山積みになっている。
オイラは普通にスマホで動画を回したが、お兄さんは何も言わなかったので撮ってもいいのかどうか不明だが、念の為内部の様子はここには公開しないことにする。
お兄さんに委任状レターを出し、パスポートを見せると、PCでしばらくカタカタした後、
「ちょっと待ってて」
と言って奥の部屋に消えていった。
10分近く、けっこう長く「ないのかな?」と不安になる時間をそこで待っていると、娘のPCらしきを小脇に抱えて出てきた。
やった!あった!
受け取りの書類などにサインをした後、オイラが写真撮ってくれる?と頼むと笑顔でいいよと言ってくれた。

ってことは、ここでの写真撮影は許されているんだろう。
日本ではとてもありえないことだ。
その後、例のカプセルホテルにチェックインし、腹が減ったのですぐ近くにあったバーガーキングに入った。
その時、午後1時半。
明日のフライトが同じく午後1時半出発。
あー、オイラはここで24時間トムハンクスになるんだなーと感慨深く空港内を見渡した。

バリまで来て空港で過ごすだけの24時間だけど、出発ゲート前で飲むビンタンビールは、本当に幸せに美味かった。
