パレルモ2日目は次の山場、マッシモ劇場。ゴッドファーザー3のラストでマイケル(アル・パチーノ)の息子アンソニー主演のオペラを観劇した後、劇場の表階段で娘メアリーが殺し屋に射殺され、マイケルの慟哭が響く悲しいシーンでも有名。 ゴッドファーザーへの思いが天に通じたのか、ちょうどこの日にポツンと人気オペラ「ラ・ボエーム」が上演されると知り、チケット販売時間前から待機して、ポチポチしていたら第一希望の席を予約できた。この白矢印の2席。中央のマイケル家族がいるボックスシートの隣、手を伸ばせばマイケルに届きそうな席だ。 映画でもちょうどハゲと女性が座っている。 後のドンとなるビンセント(アンディ・ガルシア)が部下の双子と警備に当たっていた劇場の模型の横のシーン。 ここに立つカミさん。 劇場内は豪華絢爛でありながら歴史の重みを感じさせる。 オペラは悲しく、そして美しく。第2幕は舞台一杯のキャストが賑やかだ。 生まれて初めてのオペラをゴッドファーザーのマッシモ劇場で体験し、外に出るとパレルモの夜はだいぶ冷え込んでいた。 そして、マイケルの慟哭の場所でオイラも慟哭した。 レッドカーペットがクリスマスのためにポインセチアになっていた。メリークリスマス。
Author: Jun
朝4時半にタクシーを呼んでナポリの宿から空港。夜明けは7時半なので空港に到着してもまだ真っ暗だけど、クリスマス休暇の移動客で大変な混雑だった。だけど女性のグランドスタッフがオイラの搭乗パスを見に来て、 「あなたプライオリティ」 と列から引っ張り出して優先搭乗をさせてくれた。まあ当然禿頭を見て「ジジイだ!」と思ったんだろうけど、あえて「搭乗パスを見せて」と言い、それを見てから判断した(かのような)ジェスチャーは彼女の気配りだったんだろう。 パレルモには予定通り到着し、荷物もすぐに出てきて順調。宿の主人に「空港からバスもいいけどシェアタクシーの方が早いよ」とアドバイスを受けて、シェアタクシーで宿のすぐそばまで。 パレルモはイタリア最大級の市場もあるので地元の生活感を感じるためにすぐに出かける。 大声で女性に声かけながらパニーニを売る名物おじさんの店でパニーニとアランチーノというライスコロッケでイタリアビール。 デザートに聖カテリーナ教会修道院の中で修道僧たちが手作りしていた伝統菓子カンノーロを食べる。このカンノーロは映画ゴッドファーザーでもとても重要な場面で何回か出てくる。 パリパリのパイ生地の中にリコッタチーズのクリームをたっぷり詰め込んだ甘いお菓子。オイラは夢にまで見たカンノーロを一口食べてそのままこの修道院で召されるかと思った。 観光客たちはこの修道院の中庭のベンチでカンノーロを食べるのだ。 夕方、宿の周りを歩いていたら地元のおじちゃん、おばちゃんが集まるパブを発見。 とてもいい感じだったので、中に入ってビールを飲む。 なんてことをしていたら旅の序盤の疲れも出て動けなくなったので、スーパーでハムやチーズ、ワインを買って宿に戻り、のんびりと過ごす夕べとした。
ナポリ2日目は朝6時に駅に行き、電車でサレルノという港町へ。そこからフェリーに乗り継いでアマルフィ。アマルフィは「世界で最も美しい海岸」と言われる観光名所だが、我々の目的はそこではなく、アマルフィから徒歩15分ほどの隣町、アトラーニだ。 ここはデンゼル・ワシントン主演の「イコライザー3」のロケ地で、重傷を負ったデンゼル・ワシントン演ずるマッコールさんがその素晴らしい人々や美しい景色に癒されながらそこを生涯の地として決める。CIAの女性と会うために崖の上にある教会まで駆け上がるマッコールさん。 オイラもその階段の途中でロケ場所を特定し、そこで駆け上がった。 ハゲだからオイラもマッコールさんになれた。 その場所からマッコールさんの肩越しに見下ろすイタリアで最も小さい町、アトラーニ。 その同じ場所からアトラーニを見下ろしてみた。 命を救ってもらった医師、エンゾの家から降りてくるマッコールさん。 この場所を探し出すのは大変苦労した。 夢にまで見たアトラーニでシーンごとのロケ地探しをしながら過ごし、再びフェリーに乗ってサレルノへ。サレルノからナポリに戻る途中で、火山灰で消えた町、ポンペイの遺跡を見に立ち寄ったが、アトラーニで遊び過ぎて、冬季の閉門時間に間に合わなかったのでエントランスから遠くに見える何かの遺跡を見てポンペイには来たことにする。
「初日の予定を崩さずにスタートできたことを前向きに捉えよう」って言ってたのは甘い見通しで、結局乗り継ぎのドバイでさらに2時間ディレイし、搭乗してから機内で2時間待った。もうケツも腰も痛くなりながら、ようやくナポリ空港に着いたと思ったら、 「荷物運搬システムの不具合」 とかで荷物が2時間出てこなかった。 イタリアというのはタイより遅れてるんだな、と思ったけど、イタリア人が静かに待っている以上我々も我慢して待とうと思ったが、他のフライトの荷物が何便も流れて、消えてを繰り返し見ていると 「一体どうしたんだ!」 という怒りが湧いてくる。荷物の係官も全く現れず、乗客だけがそこに取り残されて荷物が出てくる小さな枠を見続けている。イタリア人というのはタイ人より我慢強いんだな、と思っていたら、さすがにポリスが2人ほどやってきて乗客が彼らを取り囲んで罵声を浴びせ、不満をぶちまけていた。警官は「そんなことオレら知らねーよ」というジェスチャーをしながらいなしている。 2時間を過ぎた頃少しだけ荷物が流れてきて、ラッキーなことにその中にウチのスーツケースがあった。 我々はそれを滑らせて外に出たが他の乗客がいつまで待たされたのかはわからない。 結局、宿に着いたのは日没後。予定より5時間以上遅れていたので予定していたナポリ観光はほとんどできなかった。 治安が悪いので夜は外に出るな、と大勢のユーチェーバーが言っていたが、構うもんか。我々は腹も減っていたし、すぐに街に出て一番有名な老舗マルゲリータの店に行く。常に2時間待ちという触れ込みだったが、さすがに神が「お前らはもう待たなくていいよ」と考慮してくれたのか、待たずに入店できた。 店を出る頃には外に長蛇の列だったので本当にこれは神の思し召しだろう。メリークリスマス、アーメン。 そして、日本人が怖がって出ないという夜のナポリは、クリスマス感満載で人通りも多く、感動的に美しかった。ナポリで有名な「スフォーリアテッラ」とラム酒を染み込ませたサバランのような「ババ」、レモンとピスタチオの「ジェラート」を短時間に立て続けに堪能して宿に帰った。 時間は9時前だったが、すぐに爆睡した。
金曜日の夜ということもあり、だいぶ余裕を持って早めに自宅を出てスワンナプーム空港に向かった。その車中で、シチリア合流する予定の栗田家から 「5時間のディレイは翌日の予定への影響も大きくて大変ですね」 と連絡が入り、カミさんと2人で「え?」と驚いた。エミレーツからは何の連絡も来てないし、5時間という恐ろしい数字を見てタクシーの後部座席が少し下がったような気がした。 「とにかくカウンターでできるだけ早い乗り継ぎ便を交渉するしかない」 ということだが、こういうトラブルは旅につきものだし、カミさんなんか 「何だかワクワクしてきた」 と前向きだった。 空港でエミレーツのカウンターに行き、グランドスタッフに搭乗券とパスポートを見せると、しばらくして 「このフライトは5時間のディレイで、出発が朝6時過ぎになりました」 と伝えてきた。やっぱりかー。 とガッカリしたが、スタッフがすぐに 「ですので、それより早い便に振り替えますね」 「え? 早い便があるの?」 「はい、22時15分発の便がありまして、今の時間でしたら振り替えができます。ドバイでは逆に少し時間が空きますが、予定の便に乗り継ぐことが可能です」 「おおおおおお!」 視界が一気に広がって、このスタッフの女性にグータッチしようとしたがすでに下を向いてキーボードを叩き始めていたので危うくおでこを殴るところだった。 もともと20時発予定のこの振り替え便自体が大きくディレイしたことと、我々が5時間近く早く空港に来たことでギリギリ乗ることができたという意味では、 「出鼻いいですね」 と栗田家も喜んでくれた。 そして現在ドバイのラウンジ。時刻は深夜2時半。ドバイからナポリに向かう乗り継ぎ便も30分ほどディレイしているので、ここに5時間ほどの滞在だ。機内ではあまり眠れなかったし、ここで徹夜というのは体力的に厳しいけれど、初日の予定を崩さずにスタートできたことを前向きに捉えようと思う。
今日は仕事納め。今夜のエミレーツのフライトでドバイ経由ナポリに向かう予定だったが、今朝旅行保険会社から 「We are sorry that your flight EK 385 has been delayed. MSIG Easy Lounge allows you to pass the time more comfortably in an airport lounge in Bangkok Suvarnabhumi International Airport.」(お客様のフライトEK 385が遅延しておりますことをお詫び申し上げます。MSIG Easy Loungeサービスにより、バンコク・スワンナプーム国際空港の空港ラウンジでより快適にお過ごしいただけます。) とメールが入った。 エミレーツからまだ何の連絡もないのだけど、ラウンジパスだけ送られてきた。 怖いよー。 ドバイでの乗り継ぎが、2時間半しかないので、ゆっくりラウンジしてる気分じゃない。もし乗り遅れたらナポリ行きは翌日しかないので、ドバイでじりじりしてなくてはならない。 アマルフィやイコライザー3のアトラーニも厳しいかも・・ 怖いよー。
オイラがイタリアに向けて出発する20日(土)同日の出発後に入れ違いで千朝と孫3人がバンコクの我が家にやってくる。現在我が家には日本でお土産にいただいたり、買ってきたお菓子がいろいろあって、カミさんはいくつかハゲ(ハルキとゲンキ)用に残しておいた。昨日カミさんが義姉とLINE電話で 「このチョコレートとこのクッキーは我々食べずに全部ハゲたち用に取ってあるのよ」 と箱の蓋を取って見せようとしたら、中身が半分くらいになっているのを見て 「え!なんで!開けずに取っておいたのに何でないの!」 と驚きの声を上げた。 その様子を見た義姉がポツリと、 「おたくのハゲが食べちゃってたというわけね」
