「初日の予定を崩さずにスタートできたことを前向きに捉えよう」って言ってたのは甘い見通しで、結局乗り継ぎのドバイでさらに2時間ディレイし、搭乗してから機内で2時間待った。
もうケツも腰も痛くなりながら、ようやくナポリ空港に着いたと思ったら、
「荷物運搬システムの不具合」
とかで荷物が2時間出てこなかった。

イタリアというのはタイより遅れてるんだな、と思ったけど、イタリア人が静かに待っている以上我々も我慢して待とうと思ったが、他のフライトの荷物が何便も流れて、消えてを繰り返し見ていると
「一体どうしたんだ!」
という怒りが湧いてくる。
荷物の係官も全く現れず、乗客だけがそこに取り残されて荷物が出てくる小さな枠を見続けている。
イタリア人というのはタイ人より我慢強いんだな、と思っていたら、さすがにポリスが2人ほどやってきて乗客が彼らを取り囲んで罵声を浴びせ、不満をぶちまけていた。
警官は「そんなことオレら知らねーよ」というジェスチャーをしながらいなしている。
2時間を過ぎた頃少しだけ荷物が流れてきて、ラッキーなことにその中にウチのスーツケースがあった。
我々はそれを滑らせて外に出たが他の乗客がいつまで待たされたのかはわからない。
結局、宿に着いたのは日没後。予定より5時間以上遅れていたので予定していたナポリ観光はほとんどできなかった。
治安が悪いので夜は外に出るな、と大勢のユーチェーバーが言っていたが、構うもんか。
我々は腹も減っていたし、すぐに街に出て一番有名な老舗マルゲリータの店に行く。
常に2時間待ちという触れ込みだったが、さすがに神が「お前らはもう待たなくていいよ」と考慮してくれたのか、待たずに入店できた。

店を出る頃には外に長蛇の列だったので本当にこれは神の思し召しだろう。
メリークリスマス、アーメン。

そして、日本人が怖がって出ないという夜のナポリは、クリスマス感満載で人通りも多く、感動的に美しかった。
ナポリで有名な「スフォーリアテッラ」とラム酒を染み込ませたサバランのような「ババ」、レモンとピスタチオの「ジェラート」を短時間に立て続けに堪能して宿に帰った。
時間は9時前だったが、すぐに爆睡した。
