夢の中の景色

トランは思いがけず夢のような場所だった。夢の中の世界は時に頭の中で不合理で妙ちきりんな景色を創り出す。 「道を進んでいくと見たこともないような大きな五叉路が開けていて、一方はどこまでも下り坂、一方はいつ通るのかわからない汽車の線路と踏切があって、右の奥には変な形の塔が立っている」 レンタルバイクを2ケツで走り回っていると、町中がそんな光景ばかりなのだ。 マレーシアとの国境が近いこともあってマレーシア人やマレーシアの文化が混ざり込んでいる不思議な空間を形作っているのだろう。宿も最高だ。 壁に不思議な中華絵画があったり、ガラスケースにマトリョーシカ人形がたくさん飾られてたり、「千と千尋」をタイとマレーシアに混ぜたような宿。夢の中にいるような。 明日は友人の結婚式なので、今日は披露宴会場のリゾートホテルに一旦移るけど、また明後日ここに戻ってくる。食い物は美味いし、町は不可思議だし、いいよー、トラン。