本当に何も無い
Name: 朝田 光 (2004年3月18日)
Date: 04年3月18日 17時06分01秒
まだプレイクウにいる。今回も政府役人との交渉に訪れたわけだが、仕事が終わるとこの街、することが全くない。テレビはもちろんNHKもHBOもMTVでさえない。ベトナム語放送ばかりだ。タクシーの運転手に観光案内をしてもらったがひなびた湖に連れて行かれて綺麗だろうと言われただけだった。その湖確かに綺麗だが大きさもそれほど大きくなく特出すべきものは何も無い。やることが無い。
こうなると食べることだけになる。昼食はヤギ肉の葉っぱ焼き。ウナギの炒め物。それにスープ。さすが山の中だけあってヤギもウナギも新鮮でうまく感じた。特にウナギは日本の蒲焼と違い輪切りにして生姜と醤油、それにちょっとチリが入っていて、ご飯によく合う。
夕食はローカルスタッフが野生動物料理を探して方々駆け回ったが結局見つからなかった。ベトナム政府もやっと野生動物の保護に乗り出していて、こういった野生動物の料理店は法律で罰せられるようになってからは、中々うまく探し出せないようになっている。私にとってもこれは非常に歓迎することだ。
最後に落ち着いたのが普通のレストラン。今回は猪。猪の肉を竹の筒に入れて焼いてある。このため竹の風味が猪の独特の臭みを消してくれる。水草の炒め物も程よくおいしい。最後に出てきたヤギ鍋でベトナム麺を食らう。ダナンでひどい目にあったせいかプレイクウではおいしいものに出会ったような気がする。

それにしても食事をするたびに思うのだが、レストランの床の汚さにいつも嫌になってしまう。ベトナム人は食事の時、魚の骨やら貝殻やら食べられないものを床に落とす習慣がある。マレーシアでは机の上に置いていたのだがこちらは床。確かにマレーシアでは机の上が綺麗だと料理がまずかったと思われる。だからと言って床が汚いと靴底でぬめっとした感触があり余り気持ちのよいものではない。店の店員もビールの王冠をバンバン下に落とすから下手すれば靴にビールの王冠が突き刺さる。流石にサイゴンは最近ごみを入れるために大皿が机の上に用意されていてそこにゴミを入れるように変ってきたが、こういった地方に行くとまだ派手にこの習慣が残っている。
魚を口にしたベトナム人が床に向かってペッペやっている姿は今の私でさえちょっと腰が引ける。特に昼時などは掃除が間に合わないから大量のカスが床に放置されている。普通の日本人の感覚では食事をしにくい環境とも言える。
今日プレイクウからサイゴンへ帰る予定だ。こんな田舎町でも綺麗な空港がありしかもプロサッカーチームを持つほど財力がある。この町の主力産業は林業だそうだ。確かにラオスでも大金持ちは林業で収入を得ていた。日本の林業の衰退を思うと今後の彼らの行く末が少し心配になる。
このプレイクウ訪問で北の一部を除き全土のプロビンスをほぼ訪問したことになる。まあ正確に言えば95%のエリアをカバーした。全体的に感じたのはベトナムっていう国、サパとか一部の都市を除いて地方色が感じられない。どこに行っても街の中央に大きな銅像が立っていてその銅像を中心に町が放射状に伸びている。どこに行っても食べるものや味付けに大きな変化は無い。この町の特産というものが余り見当たらない。日本で言えば「九州に行ったら博多ラーメン。」などそんなものは余り無い。フエ料理があるじゃないかと言われる方もあるかもしれないが、はっきり言えばこのフエ料理でさえどこへ行っても食べられてしまう。これがベトナム放浪作家にとって辛いところでもある。
これから旅が立て続けに続く。このためベト通も毎日のアップとは行かなくなってしまうのであらかじめ「陳謝」