ハノイのスッポン
Name: 朝田 光 (2004年3月11日)
Date: 04年3月11日 17時28分35秒
昨日サイゴンを出る時気温は38度まで跳ね上がっていた。また暑い季節を迎えているのだ。
今回ハノイに2泊3日の日程で来ている。主にディーラーの親父の相手だが、流石に38度のサイゴンから来ると心地よい。天気は曇りでサイゴンより湿度は高いが気温が低い分過ごしやすい。
ディーラーの親父を相手にするということは、ディナーは当然ディーラーの親父と一緒に取ることになる。昨日はそのディーラーの親父から究極の3択を迫られた。1.蛇 2.犬 3.スッポン。皆さんならどれを選ぶだろうか。スッポンといっても日本のように丁寧に調理されたものではなくほぼ姿のまま出てくる。それでも今回はスッポンを選んだ。
店に入るといきなり机の上にはシーバスリーガルのボトルが一本鎮座している。もちろんこういったレストランにはキープなどといった高等なサービスは無いから、全て飲み干すことを意味している。
料理のサーブが始まる。まずは生きたスッポンを目の前に持ってきて計量。そのグラム数を確認しこちらがOKを出すと、いきなり大きなたらいのようなものを持ってきた。どうするのかと思ったら包丁を出してスッポンの首に歯を入れる。見事な流血となりそれをグラスに受け取り、人数分のシーバスを足す。私は血を飲むことは寄生虫などの関係から絶対に嫌なので今回も遠慮したが全員おいしそうにその場で飲み干した。どうもグロテスクな儀式だ。その後筍のサラダやら何やら前菜が出てきたが、やがてスッポンが姿のままフライにされ出てきた。今までベトナムではスッポン鍋を食べたことは多いがフライは初めての経験だった。これはこれで今フライドチキンが食べられないので結構うまかった。

以前レポートしたとおりスッポンの右手の先は必ず主客となっている私のところに来る。今回も小骨が多くて大変だったがフライだったのでそれほど苦しまずにおいしく食べられた。しかしその後よこされた甲羅はどうやって食べていいのか分からず四苦八苦。結局柔らかいところだけ手でむしって食べたがこの部分は余りおいしいものではない。
フライの添え物として日本流に言う葱の油炒めが添えてあって、これと一緒にスッポンを食べると複雑な味になりうまさを感じた。
このフライで終わりかと思ったらその後スッポン鍋が出てきて、これにブンという素麺くらいの太さの米でできた麺と一緒に食べる。もうほとんど満腹状態だったので一口二口でそれ以上食べられなかったが、はっきり言えばフライの方が格段においしいと思った。
こういった食事の間ももちろん用意されたシーバスを全てあけなくてはならないので忙しく乾杯をする。結局2時間がかりで4人で一本のシーバスを開けた。
スッポン料理の後ディーラーの親父が何か物足りなそうな顔をしているので、「カラオケでも行きますか」ということになった。何回も書いているが私はカラオケ自体あまり好きではない。しかしベトナムでは娯楽があまりに少ないのでカラオケに付き合うと言うのも私にとって重要な仕事になるのだ。
ハノイのディーラーの親父はカラオケにつくとベトナム戦争時代の軍歌ばかり歌った。サイゴンでは聞いたことが無いものばかりだったが、周りの人に聞くとかなり有名なものらしい。その歌を聴きながらサイゴンから連れてきたスタッフを見ると元気なさそうに聞いている。彼の家族は南ベトナムで最後はボートピープルになったので、こういう歌を聴くと複雑な顔になってしまうのだろう。
とにかくよく飲まされた晩であった。