サイゴンの友人たち
Name: 朝田 光 (2004年2月25日)
Date: 04年2月25日 09時17分30秒
昨日空路でハノイへ帰ってきた。疲れていたのだろう本を半分読んだところで意識を無くした。
サイゴンはハノイよりさらに喧騒に満ちており、バンコクと見間違うほどの猥雑さを出してきている。サイゴンへ赴任した当初は空港から自宅のアパートまで10分そこそこで帰りつくことができたが、昨今では30分かかってしまうことも珍しくない。圧倒的にオートバイも車も増えた。ベトナムダイハツの売り上げは去年の倍以上とのこと、この国どのみちバンコクと同じように渋滞で有名な国となってしまうだろう。
ローカルスタッフが言っていたが空港から市街まで高速道路を通す計画があるらしい。しかし地下鉄といい高速道路といい、机上の空論はさておき何とかして欲しいものだ。
久しぶりにサイゴンへ帰ってきたので、ちょっと飲みにいきたいといつものピアノバーに顔を出す。船宿に連絡するが仕事で忙しいと言われ、尼姉は「夜逃げ」の最中で、バレーボール青年はダラットに出張中。無理やりではあったが前回船宿に紹介された妙齢の女性「悟空」に付き合ってもらった。その間飛び入りでピーナッツが乱入したがこのピーナッツどうもベト通に登場しないことが不満ならしい。
ピーナッツは泥酔するとツマミのピーナッツを人の顔めがけて投げるという特技があり、根性入れて彼女と酒を飲まないとひどい目にあう。私の友人も「うす〜い水割りよ」と言って友人が泥酔していることをいいことに「ロック」を飲ませて止めを刺したこともある危険な女性なのである。全く持ってサイゴンには安全な友人が少ないのがいつも問題になる。

ピーナッツの話によるとハイハー親父は今ジャカルタを迷走中とのこと。ハイハー親父とこのピーナッツの取り合わせは抜群の味を出す。今回はジャカルタとサイゴンで携帯メッセージを交換したそうだ。ピーナッツが「元気ない」とメッセージを送ったら「物事前向きに顔を上げて進みなさい」と彼にしては至極まともな返事。ただその後のやり取りがさすが彼らの絶妙ぶりを表している。「余り顔を上げすぎると鞭打ちになる。その時は病院へ行きなさい。」と締めくくられたそうである。ハイハー親父は変なメールを打つことで有名で以前にも書いたかもしれないが午前1時にメールがやってきて「一体今何人の人が起きているだろうか」と書かれていた。尼姉は人がいいから「私は起きているよ」と返事をしたら「馬鹿こんな夜遅くまで何をやっているんだ」とくどくどとお叱りを受けたそうな。また彼の得意技は深夜の電話、これも尼姉が被害者だがいきなり電話がかかってきて「今一体何時だと思っているんだ、こんな時間に人に電話をするのは失礼だろう」と一方的に怒られて電話を切られたそうだ。面白い奴でもある。
昨日はピアニストと久しぶりに話しをしたが、「月曜日はお客さん全く来ないのよ」と言った瞬間からどんどんお客が入ってきて、いきなりカラオケマシーンでカラオケが始まるわ、大きな笑い声に店は包まれるわで、西五反田の安スナックを彷彿させられる光景であった。カウンターで飲んでいた私はすっかり悟空を相手することも忘れ、ただただ唖然としてしまった。まあたまにはこういうのもいいのかもしれないが、ジャックダニエルを片手に渋い中年を演じようとしていた私にはこの雰囲気かなりの痛手でもあった。
せっかくだったらピアニストがいるんだからピアノで歌えばいいのに。それにしても古い桑田の歌は場末を通り越してノスタルジーさえ感じてしまった。