ハノイから帰ってきて
Name: 朝田 光 (2004年1月7日)
Date: 04年1月07日 00時11分09秒
ハノイから今帰ってきた。サイゴンはサイゴンでやることはあるし、そんなに悠長にハノイの涼しい気候に浸っている暇はないのだ。水木曜日とサイゴンに居てそれからシンガポールに呼び出しを受け行かなくてはならない。仕事始めもあったものじゃない。
ハノイに行って気が付いたのだけど、ベトナムはどうも正月気分ではなく大晦日に向かって徐々に準備を始めているような感じだ。街には綺麗な花を買い求める人たちや、マーケットも買い物客で活況の状態だ。特に旧正月に欠かせない四角いケーキというか羊羹のようなものや、鶏は多くの人が買っていた。日本と同じようにチキンスープを出汁にそれぞれの家庭のベトナム風雑煮を作る。中身はシンプルだがこれはこれで結構うまい。さらに蒸し鶏は旧正月には欠かせない。私のスタッフも手に持ちきれないほど買物をしてそれをサイゴンへ持って帰っていた。彼はハノイ出身だから特にそうなのかもしれないが、ハノイ産のきつい地酒まで運んでいたから、そうとう重い思いをしたことだろう。
このテトの買物やら飾り付けはローカルスタッフのよると年々おとなしくなってきていると言う。確かにハノイでは結構年末気分を感じたがサイゴンでは全くと言ってよいほど普段と変わりない。サイゴンがどんどん西洋化してしまっているのだろう。これが良いことやら悪いことやら。まあ、日本でも昔の正月と今の正月では様変わりで、初詣やら年始のご挨拶など段々違う形になっていっているような気がする。私には帰る故郷がなく、東京が実家のあるところだから、盆と正月に田舎に帰るという感覚がないのだが、この帰省というのも様変わりしているのじゃないだろうか。

飛行機もほぼ満席であった。私の悪い癖でいつも飛行機に乗ると後から乗ってくる人の顔をじっと見ながら、この飛行機が落ちたらこのおじいさんと一緒に死ぬんだなどと馬鹿なことを考えてしまう。飛行機のハッチが最後に下ろされるとき、「あ〜あ、もう覚悟を決めないと」と考えるのも悪い癖である。年間100回以上飛行機を乗っているがいつもこんな儀式をしてしまう自分に最近はあきれてしまう。それほど飛行機が怖いわけでもなく、飛んでしまえばなんともないのだが、どうも離陸までが余り好きになれない時間の一つである。飛行機が乱気流に揺られたり、エアポケットに入ってすっと落ちたり、着陸も恐怖を感じないのだが、どうもこの離陸までの一時が余り好きにはなれない。特にベトナム航空は中古機を使用している場合が多いから、シートが破れていたり肘掛にひびが入っていたりすると、離陸までそこをイジイジと触り続けたりする。そんなに小心者とは思っていないのだがこんな時自分の正体がでてしまうようで恥ずかしい。やはり人間が出来ていないのだ。
サイゴンへ帰ってきてハノイに比べてバイクが多いのを改めて認識した。この頃の渋滞のひどさは一時のバンコク並みになってきた。車もサイゴンに限っては倍増していると言われるし、自転車からバイクへ代える人も増えたようだ。歩くのさえどんどん難しくなってくる。これも進歩の一つかもしれない。かつてバンコクも渋滞に悩み高速道路やLRT(一種のモノレールのようなもの)を作り渋滞緩和に乗り出した。サイゴンもドイツ、ロシアなどに支援を受けて地下鉄を建設しようとしているようだが、地下鉄建設が順調に行っても5年以上かかってしまう。
まあ私はそれまではここにいないけどね。これから大変だよこの街も