メコンデルタからメリークリスマス

Name: 朝田 光 (2003年12月23日)

Date: 03年12月23日 12時13分08秒

先週の土曜日から日曜日まで会社のクリスマスパーティーをしにメコンデルタのカントまで行って来た。最近会社の行事をリゾートでやることが多く、ついにリゾートらしいところがなくなってしまい、私のワガママでカントということになった。カントは海の町ではなくメコン河の流域にあるメコンデルタの中心の街なので今までのように船で観光することもなく、したがって大量の船酔いを抱えてつまらないことにならないようにしたのである。
サイゴンから大型バスに揺られて最初の訪問地であるミトーの先の船着場に着く。ここからリバークルーズを行いカントの近くまで行く。そこからまたしてもバスでカントに向かうのだが、今回は大型バスということもあってフェリーに到着するまでにかなり時間がかかってしまった。さらにフェリー乗り場では渋滞しており、バスに乗車してそのままフェリーに乗るには1時間以上待たなければならないという判断で、車無しで歩いてフェリーへ向かった。車から見る風景とは異なり色々なものが軒先で売られている。各種フルーツやら日本風に言えば弁当まで様々な種類のものが所狭しと売られている。このフェリーを待つ人のためかビリヤード屋さんまである。このビリヤード屋さん結構繁盛していた。やはりこれも渋滞の賜物かもしれない。
フェリーはかすかにアンモニア臭のする汚い代物だったが、川面を渡る風が気持ちよく、15分ほどの航海であったが、メコンの上で一時心に静寂を感じた。海も良いがたった15分のフェリーそして東南アジアの源流メコン河で過ごすこの一時はやはり味わったもので無いと感じられない何かを私たちにくれる。



フェリーから降りるともちろんバスは無いので、バイクに荷台を付けたシクロマイに乗る。本来は2人乗り用にクッションのついた座席は2人分しか用意されていないが、無理やりバイク側に2人腰掛け4人でバイクに揺られてホテルに向かう。風が気持ちよい。
バイクのスピードはもちろん運転手も入れて5人も乗っているわけだから決して早いものではない。多分時速30km出せれば早い方だろう。それでもこのゆっくりさ加減がまた街並みとあっていて気持ちが良い。普段自動車で見る風景と違い、街並みが目の端でゆっくり流れる。そこにはカントで暮らす人たちの生活の臭いや猥雑さが、うまく出来たショウケースのようにゆっくりと肌身にしみこんでくる。この感じはフィリピンでスキューバをしていたとき、海流に身を任せゆっくり岩場を通り抜けた感覚に似ているかもしれない。どうも自分が透明感に包まれているような気もした。特にこのシクロマイに乗ったときが丁度夕暮れで、赤い光にほんわりと包まれ夕食の準備に忙しい街並みを見ながら、その臭いを風が包んで運んでくる。周りにはバイクの騒音や人が話し合う声、もちろんこのシクロマイからでる大音響のエンジン音もあるのだが、なぜか私には全てが優しくそして音に透明感を持っているような気がしてならなかった。

最近つくづく考える。もしかしたらこんなに生活観のあるベトナム人は高原植物なのではないかと。彼らの笑い声、そしてこの生活観、これを外国に移しても決して根付かないのではないだろうか。高原植物は高原でしか育たない。高原では得意満面で我が物顔で人生を謳歌するが、一端低地に植樹するとたちまち元気がなくなる。これが本当はベトナムなのではないかと。

こんなことを考えながらゆっくりバイクに揺られホテルまで向かった。





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