寒いサイゴン
Name: 朝田 光 (2003年12月16日)
Date: 03年12月16日 23時57分37秒
こんなことのっけから書いて日本の人に笑われるかもしれないが、最近のサイゴンは涼しいを通り越してちょっと寒い。どういう加減かよくわからないのだが、夜などもちろんクーラーを消して毛布を被って寝ている。ハノイを除いてこんな経験7年近く東南アジアにいるが初めてのような気がする。このおかげで風邪はちっとも良くならない。
こんなときは気分がすさんでいるのでちょっと短気になってしまう。人間が出来ていない証拠でもある。今日もくだらないことで部下を叱ってしまった。
日本の場合部下を叱責するときは別に会議の会場でも人前でもかまわない。特にスポーツ系は一人をわざとしかってチームを奮い立たせることもある。しかし東南アジアはこのやり方は問題が多い。マレーシアでもフィリピンでもここベトナムでも、人前で叱ることはご法度である。彼らは彼らなりにプライドも高いしまた彼らの理屈もある。このため叱ると屁理屈の応酬となってしまい、本来の目的、反省させるというところまで行かないのが実情である。このやり方ではむしろ部下からの怒りを買ってしまいその後の人間関係が歪んでくる。ここでの叱り方はオフィスの自室に呼んで1対1で間違ったところを指摘するやり方が有効である。
色々な方法はあるだろうが、私の場合間違ったことを指摘し、彼らの言い訳を最後まで聞く。その上で彼らにわかりやすく「どうして怒っているか」を説明するパターンが多い。最初から頭ごなしで叱ってしまうと、又しても言い訳の応酬となり話が中々前へ進まないこともしばしばである。特に問題が深刻な場合は、ある程度言い訳を聞いた後、「起きてしまったことは仕方が無い。今考えるのはこれからどうするかだ」と話をする。過去を振り返って再発の防止をするのも重要であるが、それ以上に問題に対して急いで対抗策を打たなければますます問題が複雑化し解決しにくくなる。問題が快方に向かった後再発防止策を考えればいいいつも思っている。こんなマネージメントだから人からは「大雑把」と言われてしまう。これも致し方なしでもある。

東南アジア人と付き合っていると理屈ではなく、心の底から話をしてあげないと通じない部分が多い。ここは契約社会ではないので常に人間関係で世の中回ってしまう。これも痛し痒しではあるが、逆手に取ると結構良い関係も築ける。こちらが方向性を決めるのでなく、彼らを促しある程度の自発性で物事を進める。これが一番肝要なところではないのだろうか。
私の彼らへの口癖は「私にはベトナム文化が分かっていない。日本人の感覚だとこう考える」と前提をつける。確かに日本と慣習も違うし言葉も違うわけで、頭ごなしに日本の慣習を押し付けて成功するわけがない。このさじ加減が一番難しいところでたまには彼らの話を聞いて大きく遠回りをしてしまうことも多い。しかしそうやってローカルスタッフも育っていくわけでこれも大きな意味では近道ともいえる。
人を叱るということは難しい。ただでさえ人間の出来ていない私にとって、彼らに教えるということは難しい。しかし年齢から考えてもポジションから考えてもやらなければならない場面が多い。本来「仲良しクラブ」でビジネスも全てうまくいけばいいのだが、世の中そんなに甘くない。