ベトナム ボーディン
Name: 朝田 光 (2003年12月11日)
Date: 03年12月11日 11時28分42秒
今回もSEA GAMEの話である。
もともと私は大掛かりなイベントが余り好きなほうではなく、機会があっても固辞するほうでもある。前回の日本韓国ワールドカップ開会式もVIP席のチケットもホテルもあったが結局固辞して行かなかった。こんな私だからSEA GAMEの開会式もVIP席でと言われたが行かなかった。しかし今回ハノイのディーラーがどうしても話がしたいということで行ってみると彼の机の上にサッカーのチケット。それもいまプレミアムがついているとさえ言われているセミファイナルのベトナム対マレーシア戦のものである。
競技場のざわざわした雰囲気、行き返りの混雑を考えると全く乗り気はしないが、ここまでお膳立てされてしまうとどうもここで「行きたくない」というのは駄々っ子のような気もして、渋々付き合うことになった。
彼のチケットは皆がうらやましがるVIPルームのチケットで、彼の目的はVIPルームに招待した政府高官と私を引き合わせることだったらしい。ここまで背景を聞かされればますます「行きたくない」とは言えない状況になってしまった。
このVIPチケットセミファイナルが通しで見られるようになっていたので、競技場に着いたのは4時過ぎであった。第一試合はすでに始まっていてタイ対ミャンマーの試合。もうすでに競技場はベトナムの国旗をあしらったファッションの人やベトナム国旗を振りかざしている人で7割ほど埋まっていた。第一試合はむしろ淡々と進みタイがミャンマーを下したときには、競技場がほぼ満席でしかも赤(ベトナムの国旗の色)で覆われたといってもいい状態であった。

いよいよ第二試合ベトナム選手が入場してくる前から競技場は興奮に包まれ、会場に鐘や太鼓が連打され「ベトナム ボーディン(ベトナム優勝)」の連呼があちこちで聞かれた。このベトナム ボーディンはあまりに色々なところで連呼されているので、聞きようによっては「ベトナム ゴール」にも聞こえるし、一瞬「絶対ゴール」にも聞き取れる。ま、いずれにしても試合中ずっとベトナム人は叫び続けたことに間違いは無い。
試合は次の日に新聞にドラマティックと書かれていた通り、ベトナムがロスタイムで勝ち越しの一点あげ4対3でマレーシアを振り切った。それでもサッカーの内容を見るとサッカーの素人の私でさえお粗末な試合と思えてしまうほど、不思議なことが多く起こった試合でもある。だいたいマレーシアのゴールキーパーがゴールキックしてそのままゴールとなるか?ディフェンダーもゴールキーパーもかわすほどボールに勢いがあったと思えない。ベトナムのゴールキーパーは目を覆いたくなってしまう。これだけではない。ゴールポスト側に詰めていて、そのポストとの間にシュートを決められている。安易なミスが目立つのだ。本来は4対1位で圧勝のはずが結局接戦になったというのが真相ではないだろうか。これからタイと決勝で当たるわけで、前回1対1の引き分けで終わっているので今回はどうなるのだろうか、セミファイナルを見てしまったので以前より勝利の行方が気になる。
ベトナム人にとっては手に汗握るゲームだったのだろう。ゲーム中に3回も知らない隣のおじさんに肩を思いっきり叩かれた。さらに競技場全員が試合中ほとんど立って応援するので、VIPルームの窓越しからは見えず、結局競技場に出て立って観戦ともなった。試合内容もさることながらひどく疲れた観戦と結果的になってしまった。
帰るときもディーラーが車を探すのにディズニーランド状態で、どこに駐車したか覚えていない。運転手に電話をするが皆携帯電話を使っているので中々繋がらない。繋がっても「おまえどこにいるんだ」という問いかけに「よくわからない」と返って来る。ディズニーランドと違い、駐車場に「ダンボ」やら「ピーターパン」なんてしゃれた表示があるわけもなく、「何が見える」の問いに「競技場が見える」と関西コメディーかと思われる会話が続く。
ちょっと興奮したが本当に疲れきった日であった。