プノンペンの静寂

Name: 朝田 光 (2003年11月13日)

Date: 03年11月13日 16時05分28秒

本日2時の飛行機に乗ってプノンペンに来た。プノンペンに来るのは久しぶりでほぼ4ヶ月ぶりではないだろうか。
NHKのニュースでも結構大々的に紹介されていたが、今年はカンボジア日本国交樹立50周年を迎える。このため先週まで50周年記念セレモニーが大々的に行われていたらしい。行事はアンコールワットで有名なシムリップや前に書いた日本橋の上で盛大に行われたようだ。アンコールワットでは東儀さんが雅楽を演奏し、日本橋では阿波踊りが踊られたようだ。それでもどうしてこういう儀式のときに必ずといっていいほど阿波踊りなんだろう。
実はカンボジアはASEANの中でも最も祝日の多い国である。仏教国であるこの国は仏教に由来したあらゆる祝典がほぼ祝日になる。先週50周年の行事が多く行われたのも実はこの週カンボジアはウォーターフェスティバルで一週間休みだったのだ。この週は日本の沖縄などでよくある集団で手漕ぎボートのスピードを競う大会がある週でカンボジアの中でも華やかな休みでもある。その代わり旧正月はない。ASEANで旧正月、チャイニーズニューイヤーがほとんど関係ないのは、インドネシア、フィリピン、タイそしてこのカンボジアでもある。カンボジアもタイもここまで華僑に経済を牛耳られているのに、事正月に関しては仏事を大切にしている。ここのところもベトナムと大きく文化が違うところでもある。



今日プノンペンに来ていつもより街がおとなしい印象を受けた。題に静寂を書いたが、それは言い過ぎにしてもどうも活気が今ひとつ感じられない。もちろん連休が終わった直後と言うこともあるのだろうけど、それにしてもざわざわ感が感じられない。
もうご存知の方も多いと思うが、現在カンボジアの政局は安定していない。おいおい朝田が担当する国はいつも政局で問題が出てくると言わないで欲しい。何しろ会社ではDAS(Dangerous Area Specialist)と呼ばれるようになってしまった朝田だ。どこへ行っても不肖宮嶋ではないが危険と隣り合わせになっている。今回のカンボジアはフンセン率いる与党が前回の選挙で過半数を取れず、他の野党と連立を探したがどこの野党も協力せず、政府運営が組めないことにある。どの党も政府運営の中心をとりたいがために政権の維持が出来ないことにある。この混乱がもうすでに3ヶ月以上続いている。この間党同士の対立から2人も民間人が射殺された。この国も安全そうに見えて結構危ないのだ。去年なんか2軒もホテルが爆破された。
この混乱を収拾させるべく日本政府も頑張っていて、早く収集したらODAを積み増すなどと提案しているらしい。確かに内政干渉で難しい問題だけどどうも金でいつも解決するのはスマートではないような気がする。こんなこと現地に入らないとわからないし、もちろん左翼の朝日新聞でさえ書いていないのだろうが、政治の手段と言うのは最終的には限られてしまうのかもしれないね。だからカンボジアに入って、親日家ですと言われても私の後ろにODAやら日本円やらがちらついてこんなことを話しているのではないだろうかと疑ってしまう。

こういう状況だから安全確保には気を使っている。ホテルの一室にいても安心は出来ない。メイドに対しても気を使いすぎても誘拐されるよりはましだと思っている。こんな状況、ミャンマーでも同じだし、ラオスも一見平和そうに見えるが中国から入っている毛沢東主義者が少数民族の弾圧に乗じて力を広げているようで、この間もバスターミナルが爆破された。どこも同じようなのだ。

イラクは当然危ないと皆知って行くのだが、血迷っても東南アジアの秘境に行きたいと気楽な気持ちで来てはいけない。そこら中にあなたを狙う危険が待っている。もちろんその目は私にも向けられている。だから3年もこんなことやっていると疲労困憊になり、精神的に荒れてくる。困ったもんだ。





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