走れレクサス

Name: 朝田 光 (2003年11月7日)

Date: 03年11月07日 14時51分11秒

シンガポールにいる。今日サイゴンへ帰る予定だが、サイゴンへ帰れる最初の飛行機が2時半。仕方が無いから午前中は買物で過ごす。それでもあまり買う気持ちもなくただだらだらしてしまった。

ところでこれも周知の事実ではあるが、シンガポールは車が高い。これはシンガポール政府が車渋滞を避けるために意図的に税率を高く設定しているためだ。中古車でさえ邦貨で600万円以上払わないとろくな車が買えない。さらに運転していてもどこかしこに課金ゾーンがあり、車の前についているオートペイからどんどん課金されていく。車社会にとってはちょっと辛い国でもある。それではパブリックの交通網は完全に国中を網羅されているのかと言うとこれもちょっと完全とは言いがたい。バスもあるし地下鉄もある。それでもやはり車が無いと不便なのだ。特に大きなショッピングモールは車で来ることを想定して作られており、オーチャード通り周辺以外は、通りすがりの私にとってタクシーで行くしかない。地下鉄は地下鉄で、初めてこの国へ来る人にとってはチケットを買うことから難しい。昔はカード式でそのままカードを持って帰ることが出来た。そのカードも色とりどりで結構マニアックに集めようとも考えたこともある。しかし今の方式はICチップ方式となっていて、初めて買う人はこのICチップ方式カードを、デポジットを払って借りなければならない。シティーホールからオーチャードまで80セントだとしよう。まずチケット販売機のところに行って、ディスプレイを注意深く見る。そしてしっかり「新しく購入する」を指定して、それから隣の地図でオーチャードを探してそこを押す。すると料金が1ドル80セントと表示されるわけだ。ここで驚いてはいけない。1ドル分はさっき説明したデポジットなのだ。使い終わったらこのチケット販売機のところに行きデポジット返却を受けなくてはいけない。そうでないと殺風景なICカードを持って帰ることになる。こんな複雑なこと一観光客ではとっても無理だ。誰も教えてくれる人もいないし、シンガポールのよそよそしさは近隣諸国ではとみに有名な事実だから、まごまごしていても誰も助けてくれはしない。これでパブリック交通手段が充実しているとはどう考えても言い難い。



ところで車の話に戻そう。とにかくこんな高い車の中でも最も人気があり憧れといってもいい車がある。これがレクサスである。確かにマレーシアでもフィリピンでもレクサスの人気ははるかベンツを抜いている。価格もベンツより高く、さらに入荷待ちが常時出ているほどの人気となっている。この車に乗ること自体がステータスになる。その良さは色々聞く。車内にいて騒音が聞こえないとか、走り方がスムーズだとか…。それでも私が思うのはどうもステータスが一人歩きしているのではないかということ。つまりステータスに憧れるだけで、本質の良さはあまり理解されていない。レクサスが大衆車と同じ価格だとしたらここまでのステータスがついたかどうか。疑問である。

ここまで書いてきてどうも規制をかけるのは良いが、結局金持ち層のほうがもっともっと便利になってきて、その層は層でステータスを追いかけ加熱している。一方パブリックは誰のための便利さかなどさえ忘れ去られているような気がする。本当の便利さとは何か、本当に難しい問題だ。





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