河童足

Name: 朝田 光 (2003年2月13日)

Date: 03年2月13日 16時10分37秒

最近ストッキングを履く女性が増えたのも事実だが、基本的には素足がこの国の一般的なファッションである。以前ハノイでも書いたが、たとえ寒い時期でも素足にサンダルというのがここでは一般的だ。サンダルといっても日本の便所サンダルとは違い、草履、それもビーチサンダル(ゴム草履)のように親指と人差し指の間に、鼻緒がついているサンダルをはいている人が多い。もちろん鼻緒抜きのいわゆる便所サンダルの人も多いが、どうもベトナム人はこの鼻緒サンダルがとても「お好き」のようだ。近頃日本でミュールなどと呼んでいる、ちょっとファッショナブルなツッカケもあるが、それでも彼女たちはファッショナブルだけど鼻緒付きのサンダルを履いていることが多い。これは幼年時代から鼻緒付きのサンダルで育ったことにも起因するのであろう。今でもちょっと地方に行くと少年少女は決まって鼻緒付きのサンダルで遊んでいる。これが彼女、もしくは彼らにどう影響するか。もちろん日本のように足が変形して手術さえ受けなければならない外反母趾などは皆無であるし、日本人より土踏まずはしっかり形成され、更に極端な内股や外またなどといった人も余り見かけない。足全体の姿格好は日本人よりも綺麗といっても過言ではないだろう。最近ではベトナム人も太ってきた人が多く見られるようになったが、それでも街にはすらっとしたちょっとエキゾチックな美人が大勢見られる。姿勢がいいこともあるし、足の格好もいいこともあり、東南アジアの中でも美人の多い国ではないだろうか。



それでもこの鼻緒サンダル欠点が無いわけではない。よく見ると大多数の女性の足は、親指と人差し指に隙間が出来ている。昔からサンダルを履き続けたせいもあり、自然に親指と人差し指が間隔が開いており、すぐに鼻緒が入るように体が変化しているのだ。これを友人はまるで水かきを持った河童の足みたいだと言った。確かに言いえて妙である。
デパートの靴売り場など行くと日本では見られないマネキンに出会う。もうお分かりだと思うが、鼻緒付きのサンダルをマネキンに履かせるために、親指と人差し指の間に当たる部分に隙間がある。これでマネキンに鼻緒付きのサンダルをはかせるわけである。しかしこのマネキンもちろん鼻緒付きのサンダルばかり履くわけではないので、本来のファッショナブルなミュールを履かせると思わず噴出したくなる光景ともなる。

ベトナム人は地面をほぼ裸足で歩いているわけだからという訳でも無いのだだろうが、足の指が器用に動く人も多い。特に足の親指を柔軟に動かしているのを見ていると日本人にできない芸当と感動すらしてしまう。
もちろん足に関してはこれだけではなく、昔からの拘束がない分横幅に関しては日本人より広い。足も窮屈な靴に入れられているよりよっぽど健康的で、幸せそうな顔をしているから面白い。だから足の爪も綺麗だし、ペテキュアも綺麗に決まる。それでも結婚式などフォーマルなとき、どうしてもちゃんとした靴を履く必要があるときは、決まって1時間ほどで足が痛くなってしまう傾向がある。
足というのはやはり健康を司る大事なもののひとつでもある。しっかり鍛えられた彼らの足を見ていると、「足に地がついている」というのを実感できる。

それでもハイヒールを履いたときの彼女たちの苦痛を考えると「文明」をもたらす功罪を深く考えてしまう。





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