やっぱりな

Name: 虎清水権造 (2005年5月20日)

Date: 05年5月20日 17時25分56秒

先週の日曜日、母の田舎である岡山で法事があり、80歳になろうとする母に従い日帰りをした。
新幹線に乗って外を見ているとまさしく日本は細長いことが実感できる。ベトナムも確かに細長いが、時速300kmを越す新幹線には景色を飛ばすエネルギーもまた地面に深く沈みこむような不思議な感覚がある。新幹線は久しぶりだが、何回乗っても不思議な感覚に慣れることはない。
新幹線の中でアナウンスされる女性、特に女性の英語アナウンス、どうしてあそこまで息が上ずったような色っぽさを出したアナウンスなのだろうか。こちらのほうが恥ずかしくなるほど、アナウンスに色っぽさを感じる。これは私だけの感覚ではなく、友人の外国人がみんな言うこと。新幹線のアナウンスだけではない、空港リムジンバスも、成田エキスプレスも、どういうわけかこの色っぽさは変わらない。どういうわけなんだろう。

駐在をしていたとき、一番うれしいアナウンスは日本へ一時帰国するとき、JALのスチュワーデスが搭乗口で「お帰りなさい」と言ってくれるときだった。この一言でほっとし、日本へ帰るんだとうれしくなったりもした。逆に任地へ帰るときの「行ってらっしゃい」はつらい思い出が多い。



あれだけ飛行機に乗っていたから面白いアナウンスも多いかと思われるかもしれないが、アナウンスに関してそれほど面白い思いをしたことはない。「機内にお医者様いらっしゃいますか」にも会ったことはない。ただ着陸態勢になった瞬間トイレに行こうとして止められた日本人がスチュワーデスか「15分くらい我慢できませんか」と言われていたことを思い出す。彼女着陸した瞬間にトイレに駆け込んでいたから、多分本当にお腹かなんかを壊したに違いない。

バリに出張したとき、一見してヤクザとわかる人間が後15分でバリに着くというのに、ステテコ Tシャツでウィスキーのボトルをラッパ飲みしていた。さらに悪いことにビジネスクラスで、リッチな人たちがスチュワーデスに文句を言い始めた。確かに彼の飲み方はひどかった。そのうち声は大きくなるし、言っていることは呂律が回らなくなるし(気圧の関係でアルコールがよく回るのも知らなかったに違いない)、どんどん事態は悪くなっていった。もうすぐ着陸というところで後ろから男のスチュワードが飛んできて、結局スペアの安全ベルトも使ってぐるぐる巻きにされていた。あの後あの人は多分バリ警察に連れて行かれたんだろうな。

怖いアナウンスというか後で考えれば当然なのだが、イスラム系の航空会社に乗ったとき、離陸する前に全員でアラーに祈りましょうと言われた。もちろんどうやって祈るかもわからないし、だいたいこんなに飛行機がぐるぐる回っているのにメッカの方向がどっちかなんてわからないじゃないかと思っていた。それでもアナウンス「全員でアラーの神に無事な航行を祈り、これから鳥のように飛ぶことの許しをもらいましょう」などと言い出す。それでも飛行機はどんどん滑走路に向かっていく。
だがここで考えた。ちょっと待てよ。全員で祈ろうと言いながらなんでこの飛行機は動いているのか?まさか操縦士は目をつぶり神の許しを得ながら「滑走路」に向かっているのか?
本当に大丈夫なんだろうか。何回も心の中で叫んだ。

無事に到着して飛行機を降り、バゲージクレームで荷物を探していたら、この航空会社のクルーと出会った。その中に機長、副操縦士など操縦士クルーもいた。
操縦士クルー全員金髪の西洋系の人であった。

「やっぱりな」





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