ヤッさん その2
Name: 虎清水権造 (2005年1月24日)
Date: 05年1月24日 21時40分42秒
前回ヤッさんの経歴について簡単に書いた。実はヤッさんは当社の最初のベトナム駐在長で私の大先輩にも当たる。その頃どういうわけかベトナムがひどく気に入り、ベトナムで働くこととなったようだ。それでもかれのベトナム生活は優雅といえばそうだし、そうでないと言えばそういうことのなる。毎日の暮らしぶりは前回書いたとおり、シクロの運転手が飲んでいるような路上ビアガーデンで食事を取っているし、着ている物ははっきり言えば、色々な駐在員からもらった販促品のポロシャツだの、バッタ物のズボンだのろくな物は着ていない。なにしろニューヨークへ旅行に行っても5番街を観光として歩くだけで、もちろんブランド品は全く興味が無い。
しかし一方、自分の好きなこととなると話は別だ。包丁にしろ、コック服にしろ日本の一流品を持っているし、あのうすら汚い格好をしているにもかかわらず、コック服などピシッとアイロンが当たっている。
ゴルフに関しても一般人と考え方が違う。彼は駐在員のときにベトナムで買えるゴルフ会員権を全て買った人だから、全国と言っても2箇所ほどだがリゾートゴルフ場の会員でもある。まあ価格的に言えばはっきり言って二束三文の代物だが、それでも大事に使っている。ダラットもファンティエットも彼がゴルフ会員なのである。どちらも車で3時間以上かかる。これを彼はゴルフバックを斜めがけして、100ccのオートバイで行く。最近では年を取ったといって、ベトナム人が使用するローカルバスで行くことが多いようだが、行きたくなったらすぐにバイクに乗って行ってしまう。ダラットなど山道の連続だから、バイクなどで行くところではないが、それでも車で5時間ほどかかるところを8時間から9時間かけて行くのである。

土日休みだと金曜日の夜に出かけ、だいたい3ラウンドをこなし、さらに日曜の夕方また8から9時間かけてサイゴンに帰ってくるのである。まさに鉄人とも言っていいような大先輩でもある。
ただ寂しいことに前回東京で会ったときに初めて彼が年取ったことを感じてしまった。昔ほどのパワーが身体にみなぎっていないのだ。話すこともベトナムの仕事をどうけりつけて日本へ帰るかなど、まるで生活に疲れてしまったようなそんな話しか出てこなかった。
「何でも見てやろう」で育った団塊の世代に一足先に誕生した世代。何でもバイタリティーに溢れ、怖いもの知らずでアジアを駆け巡った。そんな先輩を目標にアジアで頑張ってきたトラとしては何か言われもなく悲しい飲み会でもあった。
人間はどうして年を取るのだろうか。確かに始めがあれば終わりもある。これが人生なのだろうけど、70に近くなると違う感覚が生まれてきてしまうのだろうか。本当に寂しい。
そんなことを言っているトラも今年50歳になってしまう。会社生活も今後長くて10年。一区切りつけなくてはいけない年代になってきた。どうも考え込むことが多い毎日である。