めでたさ半分

Name: 虎清水権造 (2005年1月8日)

Date: 05年1月08日 09時03分33秒

7年ぶりののんびりした日本での正月である。東京は大晦日あたりから雪が降っていて、街中ところどころ雪も残り、またそれがアイスバーン化して歩きにくくて仕方が無い。
思えばこの7年間、正月と言う感覚は全くなく、なにしろどこの国でも1月1日が祝日で1月2日からまるで何もなかったように仕事が始まる。マレーシアとベトナムは中華系の文化が色濃く残っているので、旧正月が彼らの正月。まあ正確に言うとマレーシアは多民族国家なので各宗教の正月だけで年7回くらいあったような覚えがある。
フィリピンは正月と言うよりキリスト教国らしくクリスマスを大事にする。正月にはあまり関心が無い。
そういうわけでよく海外で駐在していた頃は「どうして日本だけカレンダーの正月」を楽しむのだと言われた。話が横道にそれるがこのカレンダーでの正月をマレーシアでは「English New Year」と呼んでいた。(もちろん旧正月はChinese New Yearだよね)

かつて昔は日本も旧正月で祝っていたのだ。しかし明治維新以来カレンダーにあわせることでほかの国と違ってしまった。あれだけ植民地化されたマレーシアでさえ、自分たちの正月を守ったのに、よくもまあ日本は簡単に正月をカレンダーにあわせようとしたと感心したこともあった。ちなみにお隣の韓国も正月はやはり旧正月。



こんな話はいくらでもある。これだけ民族衣装である着物が廃れているのもアジアの中では珍しい。民謡も同じ。マレーシアでもベトナムでも地方に行けば必ず民謡が始まる。ステージショウは必ず民謡ショウとなる。日本で民謡ショウをやっているレストランは世の中に何軒あるのだろうか。今の歌謡界にポップスというジャンルはあっても民謡なり伝統の歌舞は無いといっても良い。一部去年に流行った津軽三味線やら沖縄風歌謡曲でさえ、もちろん立派な日本古来の音曲ではあるが代表するのかと言われると首を傾げざるを得ない。どんどん日本的なものがなくなりつつある。最近アメリカで日本ブームというのがあると雑誌で読んだ。ただこの日本ブームもアニメが主体であったり、ファッションで言えば原宿ファッションであったりと、確かの日本の一部をなす重要なファクターではあるが、どうもしっくり来ない。
もう歳なのかも知れないが、日本の伝統文化が消えつつあるのは悲しい。はっきり言って私も実体験で見たり聞いたりしたことは無いが、村の鍛冶屋で農業器具を作ったりわらじを編んだりする典型的な田舎の風景と言うものは、文化遺産と同じで一回壊れてしまうと二度とよみがえらないような気がする。

こんなことを書いてきてはいるが、日本の後ろ姿をやはりアジア諸国はその通り走っていると言うのが実情だろう。ベトナムにしても伝統として受け継がれていいはずの人形劇やら音楽が若者から敬遠されつつある。確かにベトナムの民謡は物語風でベトナム語がわからないと全く楽しめない代物で、決して世界に輸出できるものでは無いとしても、サイゴンの若者はこの伝統的民謡を一曲も歌えないのだ。

時代はめぐるそして進歩する。その通りなんだが本当にそれだけでいいのだろうか。西洋文化だけが文化では無いような気がするのだが…





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