日本の文化を知るには
Name: 虎清水権造 (2004年6月27日)
Date: 04年6月27日 17時16分44秒
日本へ帰ってきて3ヶ月近くが経つ。最近良く思うのが日本の文化を良く知るにはやはり通勤電車が一番なのではないだろうかと。
確かにフィリピンやベトナムの乗り合いバスにはそれぞれの文化があるが、日本の通勤電車のように際立った個性はない。
まず時間通り運行している電車。それを当然と思っている乗客。毎日同じ電車に乗るのが習慣などといったら、流石にアメリカでもイギリスでも驚かれるに違いない。(筆者はアメリカにしか住んだことは無いけどね)同じ車両と決めればほぼ同じ人たちが乗ってくる。そのうちこの人がどこの駅で降りるかなど自然に分かってきてしまう。「あれあの人いないな」など他人の人生を想像してしまうことさえある。
通勤電車では大きな声で話すのは女子高生、女子中学生と決まっていて、そのほかの人たちが会話することは滅多にない。この間外国人が大きな声で英語を話していたがこれさえ違和感がある。サラリーマンは大体において日経新聞を折りたたんで一生懸命読んでいる。予断だが私は日経新聞を読まない。会社に行くと必ず日経新聞の記事を話題にされるが、どうもへそ曲がりな性格、人が熱心に読む新聞を私も一生懸命読むなど、どう考えても私の人生ではない。
こんな通勤電車を画一性と捉えてしまうのは簡単なことだ。さらに漫画の氾濫。かつて昔はこの漫画文化を多くの人が嘆いていたが、すっかり定着しさらには日本の漫画文化が世界に輸出されるやすっかりその地位を確立してしまったような気がする。
私の乗る通勤電車には大学生が乗車している率が高い。そんな朝早くから講義に出ようとしている大学生は立派な学生なのだろうが、座席に座って大口を開けて寝ていられると切なささえ感じてしまう。最近は前期末のテストシーズンなのか電車で一生懸命勉強している学生もいるが、大半は昨日の夜遊びのせいかイビキさえかきそうな勢いで寝ている。そんな私も多分座ってしまったら寝てしまうだろうが…

帰宅をする時の電車は朝と全く違う顔をみせる。私の乗る時間帯が8時過ぎのこともあるだろうが、朝の電車にある熱気は全く無い。なんとなくアンニュイな物憂い雰囲気がそこには漂っている。夜遊びをして帰るには早いし大学で勉強して来たにしては遅い。大概においてサラリーマンの世界となる。私の場合ラッキーなことに工場勤務のため私服での通勤だから暑さ寒さに対しても対処できるが、この通勤電車に乗ってくるサラリーマンはお揃いとさえ思われるグレーやら濃紺やらのスーツで地味なネクタイ、そして座った時の深い溜息。こんな風景は東南アジアでは見ることができない。大の大人が深い溜息をつくのは仕事が終わってビールを一口飲んだあとと彼らの相場は決まっている。
日本人の平均寿命が今後延びずにむしろ縮まるのではないかと言われている。そこで言われているのはお決まりのストレス。リストラやら成果主義やら、会社業績不振のための給料カットだの。それでも働く。家族のために働くと言いながらサービス残業してしまうのはなぜなんだろう。どうして人の人生をわが人生に重ねてさらにストレスを感じてしまうのだろう。金と地位だけが幸福ではないと思うのだが、そういう人からすれば結局は「負け犬の遠吠えか」
そんな思いを詰めて今日も通勤電車は定刻で走る。素晴らしい文化だ。