今まで話せなかったベトナムのこと2
Name: 虎清水権造 (2004年5月22日)
Date: 04年5月22日 12時10分32秒
ご存知のとおりベトナムは社会主義の国である。日本とまったく違う体制である。これは一見よくわからないが、サイゴンの街を注意深く見ればよくわかる。
たとえば、街中にやたら国旗が掲揚されている。アメリカでもよく国旗が掲揚されているが、ここベトナムでは意味合いがまったく違う。
特に国民の祝日やら何かのイベントがあったときなど、街中が国旗で埋め尽くされるといってもよい。実はこれ国からの指導で強制的に国旗を掲揚させられているのだ。もちろん自由意志といわれて入るが、強力な隣組の組織が町内を一軒ずつ回り国旗の掲揚を確認するのだ。
昔の中国のように自己批判をさせられるわけではないが、町の長老が時には優しく、時には厳しく諭すので掲揚せざるを得ないのが実情のようだ。
この隣組色々なところで活躍する。この隣組ひとつひとつにそれぞれ警官が張り付いているので、町に新しい住人が引っ越してくるとすぐさま警官がやってきて調査を開始する。特に外人居住地区でないところに外人が引っ越してきた場合はちょっとした問題となる。元来ベトナムでは外人がベトナム人と同じ屋根に住むことは許されない。それどころか結婚していないカップルが一晩ホテルで過ごすことも許されない。このルールは今でも残っていていわゆるラブホテルといわれるところ以外、一般的なホテルでさえ宿泊者が結婚相手以外の人と同衾することは許されない。ホテルのほうで拒否されるのだ。ベトナム人が外人の部屋に入れるのは午前8時から午後10時まででそれ以外は許されない。これは日本人向けサービスアパートでも適用され、ローカルと私の部屋で酒を飲んでいても10時になると管理事務所から警告の電話がかかってくる。

それでは外で飲めばどうかというと、12時に全ての飲み屋は閉まってしまう。これが法律だ。たとえJapanese Loungeのような健全な店でもいきなり警官が突入してきて一斉捜索が始まることがある。働いている全てのホステスのIDをチェックしもし持っていない場合その場で検挙、すぐさま留置場に収監しIDカードが届くまで出してはもらえない。しかしそのIDを届けられるのも次の日の8時以降だから自動的に一晩留置場に入れられてしまうのだ。
ただこのシステムももう賢い読者の方なら想像がつくだろうが、結局のところ賄賂の多寡で決まってしまう。
土曜日の夜、9時ごろ一人でJapanese Loungeで飲んでいたとしよう。ホステスとカウンター越しに話しをしていたところ、急に入り口のほうでざわざわ始まる。いきなりベトナム人の私服警官が5人ほど入ってきてベトナム語で何か騒ぐ。たぶん「ホステスは一箇所に集まれ」と言っているのだろう。彼女たちは一箇所に集められ日本人ママが右往左往している。1時間ほど警官が一人一人尋問し、結局10時過ぎまで店が騒然とする。その間従業員は警官にかかりっきりなので、会計をしてほかの店に行くこともできない。また警官の前でこれ見よがしに帰るそぶりも、何の言いがかりをつけられるからわからないからできない。10時過ぎに警官が引き上げると、ママが青い顔して2人IDカードを忘れたので明日朝早く引き受けに行かなくてはいけないと言う。
こんな中落ち着いて酒も飲めるものではない。こういう日は「まったくついてない」と言って家に帰るしかないのだ。